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回顧録(美術館にて)

こつん、こつん…
シンとした室内の床に足音が響く。

アメリカのナショナルギャラリーの常設。
電車で15分くらいの距離に住んで居た私は、ふと思い立って…
“一ヶ月くらいかけて、全部の作品を鑑賞しよう!”と思って通ったことがある。
アート関連の仕事をしたいと模索し、美大へ編入する直前のことだった。

ナショナルギャラリーで人気があるのは印象派絵画のコーナーで、ルネサンスやバロックなどの古典絵画の飾られた部屋は人も少なく閑散としていた。
1枚の絵の前にジッと立っていても、誰にも邪魔されずに文句を言う人もいない。

絵の前に立ってジッと向き合っていた時に画家と同化するような不思議な感覚に襲われた。

筆を動かしている腕、空気、キャンバスに向けられる画家の視線を感じた気がして…ドキドキと鼓動が高鳴った。

制作年月日をみると…数百年から千年近く前だったりして…
(この絵を描いた人の遺骨すらもナイかもしれないんだよなぁ…)そんな事を思うと、絵がのこっていて私の目の前に在る奇跡に、さらに感動した。

この経験は、後々までずっと尾をひいた。

“アート関連の仕事をしたい!”と、いろいろなジャンルを模索していたのだけど…
結局、デジタルや大衆アートではなく古典的な方法【自分の手で描く。】という事と【(後世に)絵を遺す】ことに惹かれたので、油絵を描きたいと画家を志した。

私自身が美術館で経験したような感動は何だったのか…
それが判るようになるのにはずいぶんと後のことだけど…。

目に見えるモノや言葉で出来ること以上の感動を絵は伝えることが出来る。

感じることが出来る人がいる。
…それが、感性というものだと知ったのは最近のこと。

私は美術館は好きだ。
その期間しか会えない企画展もいいけれど、【鑑賞】するならやはり常設展だと思う。

1枚1枚の絵の前に向き合って自分の内面に浮かぶ様々な感情を楽しむことをおすすめする。

例えば、ナショナルギャラリーにはレオナルドダビンチの作品もあるのだけど、常設だと誰も居ない。
企画展で日本にいくとひとだかりができるのだろうな…なんて思ったりした。
日本でもそう。
超有名な絵でも常設だと独り占めして向かい合ってみることができる。
例えば、損保ジャパン東郷青児美術館にゴッホのひまわりがあるのだけど、人はまばら。
絵の前にじっと立って向かい合ってみることが出来る…。

感動出来る作品に出会うとドキドキする。

私が死んだ後にも私の作品を観て、そう感じてくれる人がいればいいなと思っている。
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桑水流みき

Author:桑水流みき
桑水流(くわずる)みき
鹿児島出身。福岡県在住。

独特の弧や曲線の美と平面による再構成に精神世界(Spiritual World)を織り込んだ絵画的表現で純粋芸術(FIne Art)を追求しています。

1994~1999年アメリカの大学と美大(MC&MICA)にて絵画 (Fine Art)を専攻。帰国後、日洋展(2003年~)と2006年以降、福岡、東京、鹿児島、長崎、熊本にて百貨店・画廊にて個展中心に活動中。(大丸福岡天神店,山形屋,鶴屋,長崎大丸など)日洋会会員。福岡文化連盟会員。2015年/4月 山形屋(鹿児島)で個展予定。


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